暮らしとセンプレ 第36回 「感動のトースト」を食べてみたくて。

暮らしとセンプレ 第36回 「感動のトースト」を食べてみたくて。

バルミューダ ザ・トースター

高校時代、学校からの帰り道によく喫茶店に立ち寄った。通学路には道端でコーヒーの半額券を配っているお店があって、同じルートで通学している友人の誰かがその券を手に入れると、その日はちょっと寄り道。ブレンドコーヒー1杯で何時間もおしゃべりに花を咲かせた。時にはコーヒーだけでは物足りず、小腹を満たすためにトーストを注文した。その当時、大概の家にはポップアップ式のトースターがあって、それで焼いたものがいわゆるトーストだと信じていた。しかし、そのお店のトーストは全然違っていた。たっぷりとバターが塗られた厚さ4cmほどの食パンをオーブンでふんわり、そして少しこんがりトーストしたそれは本当に美味しくて、初めて食べた時は世の中にこんなに美味しいパンがあるのかと、ちょっと感動したのを覚えている。多分きっと今、当時のままのトーストを食べても、そこまでの感動はないだろう。でも挽きたてのコーヒーの香りとそのトーストの味は、何十年も経った今でも時々思い出す。…